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「本がメンター」読書の秘訣は積ん読と自分が鍛えられるという信念

読書の楽しみみなさん、こんにちは。今日は読書の話をします。あなたには、つい降りるはずの駅を乗り過ごしてしまったという経験はありませんか。気がついた時にはすでにドアが閉まった後というパターンです。ぼくにも何度かあります。理由は単純です。読んで...
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【困っている人・大野更紗】したたかに難病とつきあう【壮絶な戦い】

困っている人みなさん、こんにちは。同僚に勧められて読んでみました。大野更紗さんという若い女性が書いた本です。ビルマ(ミャンマー)の難民と知り合い、その足で現地へ出かけるほど活動的な人です。しかし突然襲った難病との戦いがこの本のテーマです。一...
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【山吹の花・俊頼髄脳】一瞬の機知に思いを重ねた伊勢大輔のみごとな歌とは

山吹の花みなさん、こんにちは。今回は和歌の心得を学びます。『俊頼髄脳』は歌論書です。著者は源俊頼(1055~1129)という歌人です。当時の歌壇の権威者であり、革新的な歌風の推進者でもありました。この著作は1115年に成立したものです。歌体...
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「協操作的行為としてのコミュニケーション」失語症の事例を参考に考える

コミュニケーションの意味みなさん、こんにちは。ユニークな入試問題をみつけました。小論文の設問です。課題文は筆者が文化人類学を学ぶ学生として、インドネシアとアメリカでの滞在経験を基にした文章です。より良いコミュニケーションとは何かという根本的...
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「カジュアルにエンドレスに」世界標準を意識し自分を信じて勉強しなくちゃ

気温上昇みなさん、こんにちは。年末が近くなり、近頃は寒い日が多くなりました。少し前までは35度近い日が続いていたというのに、いったいどうしたことでしょうか。いずれ、40度が標準になる時代がやってくるかもしれません。海水温の上昇で、気候が驚く...
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「あなたの行く朝」生きるとは忘却との壮絶な戦いだ「加藤登紀子」

人は忘れるみなさん、こんにちは。今日は忘れる話を書きます。なんだそれ、などと言わないでください。人はどんどん忘れてしまう生き物なのです。それを悲しいとみるか、潔いとみるのか。結論がずいぶんと違うものになるでしょうね。昔、受験参考書で有名な旺...
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【村上春樹】トニー滝谷は孤独な人間の横顔を3人称で描いた実験小説

リリックな作風みなさん、こんにちは。村上春樹の小説は『風の歌を聴け』からずっと読み続けています。すごく好きなのかと言われると、そうでもないかなと思います。しかし嫌いかと訊かれると、そんなことはないと断じていえます。一言でいえば、彼の乾いた感...
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「親ガチャの重み」階級格差社会にのしかかる中学卒業後の進路の現実

進路格差みなさん、こんにちは。今回は教育格差の問題を扱います。ある意味で救いのない、重い内容です。この1週間で、2冊の本を読みました。1冊は朝比奈なをさんの『進路格差 <つまずく生徒>の困難と支援に向き合う』(朝日新書)です。どの高校に進学...
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【権力争いの象徴・無名草子】衰亡していく家の姿に世の無常を知る

衰亡の果てみなさん、こんにちは。今回は古典の中でもよく取り上げられる藤原道隆の娘定子と道長の娘彰子の話をしましょう。定子(ていし)、彰子(しょうし)と読みます。現在のような読み方ではありません。『無名草子』という本をご存知でしょうか。一巻か...
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【人口増加】イースター島にみる飢餓のかたち【モアイ消滅】

人口増加みなさん、こんにちは。世界の人口は現在どれくらいなのでしょうか。今後の予測と共に、世界の未来を考えてみましょう。世界の人口は、今後50年間で増加し2024年の82億人から2080年代半ばには103億人でピークに達する見込みです。最新...
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【正徹物語・一字の違ひ】歌人は己れの感性をひとつの文字に託す

一字の違ひみなさん、こんにちは。今回は授業でもめったに取り上げることのない『正徹物語』について解説します。これは2巻からなる歌論書です。つまりどの歌のどういうところがすぐれているのかといった、評論集なのです。著者は当時の歌人で禅僧だった正徹...
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【此木戸や・去来抄】言葉ひとつに描写と風情のあはれを探る芭蕉門弟の姿

向井去来みなさん、こんにちは。今回は俳句の世界について考えてみましょう。わずか17文字の世界ですが、ひとたびそこにある深みに触れると、想像は宇宙の規模にまで拡大します。現在でも多くの人が定型詩に神経を降り注ぎ、短歌、俳句は全く力を失うことが...